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日本だけでなく、世界の美術工芸を見つめ、掘り起こし、
それを商業作品として再現できる、誇りの持てる仕事です。

最近は日本の古典美術がブームになっていますが、世の中の変化に関わりなく、いつもそれらを見続け大切にその価値を訴え続けています。
審美眼と言うものは、容易に身に付くものではなく、古典の一級品を、数多く見るしかありません。それゆえ、美術館、博物館に足を運び、興味を持つことから仕事が始まります。
マイナーな美術にも、注目している者が一人でも多くいることが、その保存に役立ちます。
また、当社には、創作の参考用に数多くの美術書があり、毎年増え続けています。



“ 応仁の乱“以来、日本の文化を織技の面で支えてきた京都のノウハウを絶やすことなく、次の時代へ伝えることは、私たちの使命と考えます。

一枡に30色ほどの糸が棚一杯に詰まっています。
私たちが帯を配色するときに、絵描さんのパレットと同じ感覚で使います。これらの数千色の中から、数十色の絵ヌキを選び出して配色を組みます。
複雑な配色は、この糸棚なしには、考えることができません。
また、同じ色でも撚りの仕方によって発色が変わります。それらの特徴を意識的に利用して織り上がりに深みや変化をつけます。









「杼」(ひ)を用いる織物としては、世界中でもっとも、高度に複雑に発展した技術です。

元々、織物は絹糸を通すために、杼という道具を使ってきました。最近は生産性を上げるために、空気やヘラを用いて高速で織り上げます。
しかし、“帯”は、美術織物という性格上、織物本来の技術を保存し、伝えていける数少ない製品です。
又それだけでなく、糸の結び方を始めとし、伏せ・棒刀・フルエ装置など、独特のほかに類を見ない、伝統につちかわれた多くの技術を伝えています。






こんなに多くの「ひ」が、複雑に、しかもいくつかの規則に沿って、経糸の間を通って行きます。


「ひ」の走る順番にも、いろいろな約束ごとが、秘められています。







あくまでも、伝統産業の手仕事を基本にしながら、積極的に最新技術を取り入れています。

コンピユ―ターとカラーコピーを組合せることにより、画像処理システムを構築しました。
これにより、図案の製作段階での省力・失敗の回避、また、イメージの視覚化が可能になりました。






フロッピーに紋データを保存することにより、省スペース・省力化ができました。

コンピユ―ターでデータ処理することで、簡単に、紋紙を直すことができます。










積極的な設備投資と、自社工場による小ロット生産&きめ細かな品質管理   

ほとんどの織元が、下請けによる外注化を進める中で、当社は一貫して自社設備の充実を図ってまいりました。それは、製作過程を大切にするという機屋(はたや)本来の考え方としては、当然の選択でした。
しかし、最近の、現場を嫌う風潮と、人手不足の為に、当然のことが、当然でなくなっています。
そこで、敢えて当社は風潮に流されず、本来の、当然の道を歩き続けています。
さらに、一本一本の帯をきめ細かく、大切に織りこなしていくには、織り場を見ながら、仕事を進める環境が不可欠です。それによって、健全な生産が可能となります。






全棟冷暖房完備、清潔で、整頓の行き届いた
工場環境。

機上部のジャガード(紋の口開け装置)が並んでいます。






 

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